精神科医育成プログラム

 はじめに

私たち関西医大精神神経科は新入医局員を募集しています

私たちの病院は、歴史的にも経済的にも中核都市となる大阪、京都を結ぶ京阪沿線上にあります。
このような背景をもとに、多彩な年齢、疾患層の方が来られるので、精神科教育に必須となる「充分な臨床」を経験することができます。

それぞれの人生プラン、キャリア形成に合わせて
融通を利かせる「鷹揚さ」が私たちの医局の最大の特徴

昨今の医療の細分化に伴い、当科においても専門(特殊)外来化が進んでいますが、精神科診療の基礎ともいえる、「一般(総合)外来」は依然大きな役割を務めています。
「教育プログラム」開始後は「一般外来」の陪席や検査補助、入院主治医、カンファレンス、勉強会を経ることで基本的な臨床技術を基盤とし、それぞれの興味や特質に応じた診療スタイルが確立できます。
そののち、精神科病院への出向や、「専門外来」での研修、大学院進学などから、希望の選択を進む過程で精神科医師として最も重要な資格となる「精神保健指定医」や、各学会認定の「専門医」や医学博士の「学位」を修得していきます。

医師にとって入局後の最初の10年間は非常に大切です。「鉄は熱いうちに打て」ということわざの如く、初期に基本を徹底的に学ぶことが、プロフェッショナルとしては大変重要なことになります。
ただ、私たちは、資格の取得自体が一番の目的であるとか、しゃかりきに仕事をこなしていくことが「教育」だとは考えていません。それぞれの人生プラン、キャリア形成に合わせて融通を利かせることができる「鷹揚さ」を持ち合わせているのが私たちの医局の最大の特徴であり、それらバランスのとれた、やりがいのある医師としての人生の習得を含めての「教育」がこれからの時代必要であると考えております。

臨床と直結させた研究スタイルで、臨床から生じる
“なぜ?”や“どうにか助けてあげたい”に答えることが出来ます

当科の研究の長所でもある特徴は、臨床と直結させた研究スタイルにあり、臨床から生じる“なぜ?”や“どうにか助けてあげたい”の疑問や希望に答えることが出来る臨床研究を継続して行っております。
豊富な臨床経験を縦糸に、留学や他施設との連携で培った研究ツールを横糸として、各グループ共に力強い研究成果を織りあげています。

研究というものは、世界中の人々の発想と努力の積み重ねで成り立っています。初期臨床研修制度の直後は、なかなか実感しにくいかもしれませんが、精神疾患の病態生理が明らかになるとされている10年後という「現在の先」を考えている先輩医師のあつい話にも耳を傾けることが出来るでしょう。

プロフェッショナルな精神科医を目指す者にとって
大学病院で経験を積むことが知識、経験を得る最も確実な道

最近は多くの大学、市中病院、その他で医局員の募集がされています。
それぞれに特徴があり、臨床研修を終了した先生方の選択肢が増えているのは、良いことだと思いますが、逆に選択肢の多さが戸惑いを増やしてしまっている傾向を感じます。
ただ、大学は忙しいので避ける、目先の給料だけで決める、といったことでは志が低すぎます。

大学病院で経験を積むことが、多岐にわたる精神科臨床の知識、経験を得る、最も確実な道だと思います。
その中でも関西医大精神神経科で研修を積むことが、プロフェッショナルな精神科医を目指す者にとって、大変意義のある選択だと自負するものであります。

また当医局は入局してくれる女性医師数の割合が多いのが特徴です。女性医師にとっては、このような医師としての経験を得る時期は、結婚、出産などのライフイベントと重なる時期であることを承知しております。そこで現在、大学病院の医局として女性医師の支援にどのようなことが可能であるのかを真剣に考えております。説明会などに来て頂き、先輩医師の生の声を聞いて頂けたらと思いますし、私たちにとっても直接意見をうかがえたらと思います。

入局、研修に関するお問合わせ

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年間スケジュール

精神科病院勤務 精神科病院勤務 大学院 大学院 精神科病院勤務 精神科病院勤務 精神科病院勤務 救急救命センター勤務 海外・国内留学

上記のスケジュールはあくまで一例です。これら以外にも希望に応じ、柔軟な対応を行っております。

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週間スケジュール

大学病院勤務内容について

大学病院での勤務内容は大きく分けると、病棟、外来、当直に分かれます。
それぞれの場面において求められる技能や対応は異なることがありますが、関西医大精神神経科ではこれらの底流にある精神科医として必要な基本的能力の獲得を大きな目標と考えています。

  • 初診陪席

    当院当科に初診される患者さまの問診を行い、初診担当医の診察に同席します。
    精神科診察の基本的な態度や技能、必要な知識を実際の現場に立ち会うことで習得して貰います。

  • 病棟業務

    入局後より当院当科病棟において、入院患者の主治医を担当することになります。診断や治療方針の策定、日々生まれる臨床的疑問に対しては精神科指導医を中心とした病棟チームの中でカンファレンスを行いながら決定や解決を行っていきます。一人一人の患者を丁寧に診察し、十分な吟味を重ねることで精神科医として必要な精神療法や薬物療法、多くの検査に対する判読能力、状況判断能力などの基本的技能を身に付けることを目標としています。

  • 当直業務

    入局後より関西医科大学総合医療センターにおいて、精神科当直医としての業務を数回/月の割合で行うことになります。主な業務は入院患者及び時間外外来来院患者への対応、当院通院患者からの電話対応です。入局後2カ月間は上級医と共に当直業務を行うことで、精神科当直において必要な基本的な技能を学んでもらいます。

  • その他

    上記以外にも希望して頂ければ、児童思春期外来、緩和ケア外来をはじめ多くの専門外来や再診外来への陪席、地域保健所での精神保健活動、企業での産業医、精神科クリニックでの診察、一般総合病院でのコンサルテーション・リエゾン活動、学校保健相談、精神科救急当直など幅広い分野での経験を積むことが可能です。

精神療法勉強会画像班勉強会 抄読会 m-ECT 入院カンファレンス 医局会 病棟チームカンファレンス 院内リエゾン 院内リエゾン 精神科病院勤務 精神科病院勤務 薬物療法勉強会 補完医療勉強会

カンファレンスについて

カンファレンスは一人では解決できない臨床上の疑問点や問題点を各分野の専門家や多職種を交えて議論する場です。
これらのカンファレンスを通じて、基本的な事項から最新の知識までを獲得し、同時にプレゼンテーション、批判的吟味能力を高めます。

  • 入院カンファレンス

    前週に入院された症例について、全医局員と心理士、作業療法士、ケースワーカーなどコメディカルも参加し、カンファレンスを行います。症例の報告は病棟主治医が行い、診断や今後の治療方針などについて、毎週活発な議論が行われています。

  • 病棟チームカンファレンス

    病棟での治療は病棟主治医一人だけではなく、精神科指導医をリーダーとするチームを組んで行います。チームには精神科指導医の他、各種専門分野を持つ医師、作業療法士、精神保健福祉士などが参加しており、毎週担当全入院症例を対象にきめ細やかなカンファレンスを行います。

チーム制を中心とした精神科教育プログラム

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集中講義

例年、新入医局員に対して精神科専門医を視野にいれた集中講義を行っています。
下記の項目は平成27年度前期の内容です。

医の倫理・統合失調症
気分障害、補助検査法
大学院と研究について
精神療法
神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害
人格障害(成人の人格及び行動の障害)
精神科救急
心理社会療法、認知療法
症状性を含む器質性精神障害
リエゾン、緩和ケア
児童・思春期精神障害
精神科薬物療法、ECT
地域精神医療・保健・福祉
心理検査全般
病棟安全管理
てんかん
法と精神医学、診療情報の提供に仕方
作業療法、デイケア
脳波検査
成年後見制度について、枚方病院精神科について

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定期的な勉強会

日々の臨床経験は医師に対して数多くの経験を与えます。しかし個々の経験だけではどうしても、偏りのある知識に留まりがちです。関西医大精神神経科では多くの定期的な勉強会を通して、それぞれ経験した事柄や最先端の知見を共有しています。

医局会

全医局員が持ち回りで、臨床的な疑問にもとづいたプレゼンテーションを行い、教授を中心として全員で討論します。学会前には、予演を行い発表の批判的な吟味を行います。これらを経験することで、発表内容のまとめ方やプレゼンテーションの技術の向上、ディスカッションの対応力などを身につけることが出来ます。また、他施設から精神科に関連した各分野の識者による講演を聞く機会も設けています。学べる内容は年間を通して多彩なものとなっています。

抄読会

欧米の一流科学雑誌に掲載された最新トピックや注目の治療法などの知見を含んだ学術論文を持ち回りで、医局員に紹介する会です。精神医学の世界は日進月歩で数年前の知識は通用しないことも少なくありません。抄読会に参加し、論文を詳細に読み、まとめ、医局員に紹介することで、教科書では得ることの出来ない最新の情報が身に付くようになります。さらに、論文の検索方法、結果の解釈、方法論の批判的吟味が出来るようになり、最新のエビデンスを臨床に応用することが出来るようになります。(月2回)

薬理研究・薬物治療勉強会

月に1度、薬理研究と薬物治療の勉強会を行っております。精神科薬物療法において、正しい研究の進め方から、論文などを用いた正しい情報の入手、理解、その情報に基づく根拠や考え方での治療選択が出来るような勉強会です。夏には、産業医科大学精神医学教室と合同で1泊2日の勉強会“トランスレーショナル・ニューロサイコファーマコロジー・カンファレンス”をおこなっております。京都大学健康要因学講座 健康増進・行動学分野 古川壽亮 教授が主催されている京都エビデンス精神医療研究会など、学外でも興味深い研究会・勉強会があればいち早く紹介し積極的に皆で参加しております。

LORETA cafe

ニューロフィジオロジーグループはLORETA解析に興味のある方を対象とした多施設参加型の研究会を発足し、年に一度のペースでLORETA cafeという名前の勉強会を開いております。

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研究関連

詳細は「研究グループ紹介一覧」へ

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関連病院

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