留学・派遣OVERSEAS / DOMESTIC STUDY

関西医科大学精神神経科学教室

私は2022年7月より、関西医科大学総合医療センターの救急救命センターに出向する機会をいただきました。精神科に入局した当初から同センターでの勤務を希望していた点において、私は少し珍しい存在だったかもしれません。

この希望には、私の初期研修時代の経験が大きく関わっています。初期研修の最初の配属先が当センターであり、当時から精神科医を志していた私は、救急診療にはさほど関心を持っていませんでした。しかし、精神科から出向していた北浦先生や北元先生のもとで、自殺企図後の患者やせん妄の患者の対応に携わる中で、その印象は大きく変わりました。

救急という命と向き合う現場において、救命医とは異なる視点から患者に関わる精神科医の姿に強く惹かれたのです。また、センター長の中森先生をはじめ、当時の救命科の先生方が精神疾患を持つ患者にも真摯に対応し、身体合併症の問題解決に尽力される姿勢にも深く感銘を受けました。こうした環境での勤務は、精神科医としての自分にとって必ずや将来の糧になると確信し、出向を志すに至りました。

念願が叶い、勤務を開始してからは、身体合併症センターの役割のもと、さまざまな身体疾患を抱える精神科患者の対応に苦慮する日々が続きました。多剤併用されている向精神薬の調整、自殺企図患者への対応、退院の可否の判断、希死念慮や再企図リスクの評価、脳炎や脳症など器質性疾患の可能性を含む初期対応、限られた入院期間内でどこまで介入すべきか——こうした課題に日々直面しました。

特に、自殺企図直後の患者の診察や、器質性疾患によるフレッシュな精神症状の観察などは、精神科医にとっても日常診療ではなかなか得られない貴重な経験です。これらを通じて、自身の視野や臨床力が大きく広がったことを実感しています。

救急の現場での経験は、精神科医としての成長にとっても非常に意義深いものであり、同様の場で研鑽を積むことができたことを心から感謝しています。入局される若手の先生方にはぜひぜひ経験していただきたいと思います。

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